クィーンズビルってどんなとこ?

気になる木の話

皆さんは「Tree Hugger(木に抱きつく人)」という言葉をお聞きになったことがあるだろうか? 木に抱きつく→自然が大好き→ナチュラリスト、またはエコロジストという意味で、環境保護に熱心な自然愛好家のことある。

私の住むバンクーバー島には、この手の人間が山ほどいる。彼らは山林の伐採事業や環境汚染の産業には、率先して反対運動をする。食べる物はもちろんオーガニック(有機農法で採れた野菜や果物)で、化学薬品を使った洗剤や殺虫剤はゼッタイにダメー!という人たちである。

そして、こういうエコっぽい人々の住むBC州には、案の定、保護樹木がごまんとあり、たとえ自分が所有する土地に自生している木でも、保護樹木に指定されていたら、勝手に枝を剪定したり、ましてや根元から切り倒したりできない。

ビクトリア市が管理しているウェブページには、木に関するだけで、何と13ページにも及ぶ条例がある。指定されている保護樹木は、ゲリー・オーク(カシの一種)、アビュータス(ヤマモモ)、パシフィック・ユー(イチイ)、ドッグウッド(ハナミズキ)、ダグラス・ファー(モミ)、レッド・シーダー(スギ)、ビッグ・リーフ・メープル(葉が特別大きいカエデ)など。しかも条例の中で「いかなる種類の木でも、幹の直径が80cm以上のものは、勝手に切ってはならない」とある。

やっぱり、そうだったのか…と私は膝を打った。なぜなら、近所のロックランド通りは、まるでロッキー山脈からそのまま運ばれてきたような巨木が、民家のすぐ脇や車道のすぐ横にそびえ立っているからだ。それも、1本や2本ではない。「ロックランド・森林通り」と改名したいほど、デッカイ木が群生している。

ある民家は、ドライブウェイの真ん中にダグラス・ファーの大木がそそり立っている。幹の太さは、まさしく1mは有にある。ああ、だから切り倒せないのね…。また、ある民家では裏庭のほぼ半分を占領する形で、モミの木がまっすぐ天に向かって成長し続けている。高さは20m以上はあるだろう。

隣の豪邸に住むおばあちゃんは、前庭の真ん中に巨大にのさばるゲリー・オークの木がご自慢だ。我が家のリビングルームの窓から見えるその巨木は、樹齢何年だろう。秋になると、膨大な数のどんぐりをボロボロ芝生に落とすので、ガーデニングの従業員泣かせだ。でも、保護指定されているから、枝1本切るわけにはいかない。まさしく老樹の貫禄たっぷりで、あっぱれ見事な枝ぶりだ。 保護樹木は寿命が来るまで、のびのびと生きている幸運な木である。

初出:「ワールドバザール21」各国いまどき報告 2007年3月20日


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