クィーンズビルってどんなとこ?

アップル・サイダー・ハウス

 10月のある晴れた日、ビクトリアから車で40分北上したコブルヒルにあるメリデール・サイダー・ハウスを訪れた。ここは広大な果樹園でりんごを育て、アップルサイダー(りんご酒)を醸造しているところだ。

 1990年から創業を開始したメリデール・サイダー・ハウスだが、2000年に元弁護士のご主人と商学科出身の奥さんが新しい経営者になってから、醸造所のすぐ真迎えにビストロをオープンし、果樹園と醸造所のツアーとレストランビジネスをスタート。6年目の現在、醸造されるアップルサイダーは8品種に増え、さらにビストロの料理は「En Route」というエア・カナダが発行する雑誌に絶賛されて、ますますビジネスは繁盛している。

 メリデールで働くスタッフがガイドとなって果樹園の前からツアーはスタート。もうほとんど収穫を終えたりんごの木々は、思ったよりも背が低い。品種改良が進み、りんごを取りやすくするため、背の低い木になっているそうだ。

 それでも収穫時には、臨時のアルバイトを大勢動員し、手作業になる。この日は、収穫したりんごを洗い、ベルトコンベアーで運び、大きな圧縮機でりんご汁を絞っているところを見学できた。

 りんごの絞りカスは、茶色に変色していて、ちょうど濡れたオガクズそっくり。ガイドが勧めるままに味見してみたが、わずかにリンゴの香りはするものの、パサパサした味のない代物だった。この大量に生産される「オガクズ」はちゃんとリサイクルされている。行き先は養豚場である。りんごのカスを食べて育ったぶーちゃんは、とても肉が柔らかく美味しいポークになるとか。  さて、絞られたアップルジュースは、発酵するためタンクと樽に貯蔵され、品種によって、砂糖、蜂蜜、ラズベリーやさくらんぼの果汁などが加えられる。りんごのタンニンが多いほど、ドライ・サイダーに仕上がるそうだ。

 発酵を終えたサイダーは、何重にもなったフィルターを通して濾過され、ボトリングの工程へと進む。ちょうど2人の従業員が、ボトリングの作業をしていた。小さめのペットボトルに詰められたアップルサイダーは、黄金色に輝いていた。

 レストランの中で、8種類のアップルサイダーを試飲した。私が一番気に入ったのは、デザート酒にぴったりの「Winter Apple」。とろりとしたブラウンシュガーのような甘さで、アイスワイン風だ。

 その後、レストランで3コースのランチを楽しんだ。ソーセージやパテ、ピクルス、サルサなどすべて地元の食材を使った前菜。メインはポークとキノコをクレープで巻いた料理。ガイドの話通り、りんごの絞りカスを食べた豚は、普通のポーク以上に柔らかくて良い味だった。デザートとコーヒーもおいしくいただき、ツアーのお値段は日本円にして約2800円。

 おみやげ用のアップルサイダーとりんご入りマスタードを買って、満足度100%のメリデール・サイダー・ハウスをあとにした。



初出:「ワールドバザール21」各国いまどき報告 2006年11月21日


ホーム戻る

Copyright (C) 2001-2006 Yumi Schemmer. All rights reserved.
This site best viewed using 800 x 600 screen resolution and True Colour display.