クィーンズビルってどんなとこ?

リトル・チャイナ

 ビクトリアにはカナダ国内で一番最初に出来たという、最古のチャイナタウンがある。1858年にフレイザー川でのゴールドラッシュをきっかけに、多くの中国人がカナダ大陸へやってきてビクトリアにチャイナタウンを作ったのがその始まりだ。その後1880年代には、大陸横断鉄道の建設労働者として移住した中国人たちが、さらに大きな中華コミュニティーを作り続けた。

 しかし、近年になって中国からの移住者は、人口が多く経済力のあるトロントに集中し、香港の中国返還期には中国人移民のピークを迎え、現在ではトロントのチャイナタウンの方がずっとスケールが大きい。だから、ビクトリアのチャイナタウンは小さくて可愛らしい規模のままだ。それでも正面の入り口には、堂々とした立派な中華門が建っている。しかし、門をくぐるとあれ?もうここで終わりなの?と気が抜けるほど、チャイナタウンと呼べる街並みは短い。

 だが、エキゾチックな中国人学校の建物や、普通のスーパーマーケットでは見ることのない中国野菜が、店の前の歩道を占領するように箱ごと並べられている煩雑な食料品店の雰囲気は、ビクトリアにいながらにして、中国情緒を味あわせてくれる。ビクトリアで最も古い老舗であり、数多くのハリウッドスターも訪れる有名な中華レストラン「ドン・ミー」をはじめ、食欲を満たしてくれる本格派の中華レストランも沢山ある。

 チャイナタウンの中でも、ぜひとも歩いて欲しい私のお気に入りは、ファンタンアレー(ファンタン横丁)と呼ばれるビルとビルに挟まれた路地。ファンタンとはその昔、チャイナタウンで流行した賭博の名前。かつて、この狭い路地のどこかの建物で、肩を寄せるように阿片を吸いながらバクチ遊びに余暇を過ごした多くの中国人労働者がいたという。そんな歴史を想像しながら路地を歩いてみると、なんだか100年以上前にタイムスリップしたような気分になる。

 現在のファンタン・アレーの両側には、小さな店が並んでいる。中国製の服や小物類を売るギフトショップや、ずいぶん長く商売していそうなレトロっぽい理髪店、キャンドルやお香やクリスタルなどの原石を売るスピリチュアルなブティックもある。このブティックの売り子さんは、かなり魔女っぽい個性派で、少々チャイナタウンとはミスマッチだが。

 こんな面白い店を冷やかすのも面白いので、ビクトリアの観光名所のひとつとして、ぜひチャイナタウンを訪れてみてくださいね。



初出:「ワールドバザール21」各国いまどき報告 2006年8月15日号


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