
フォート通りから、海岸に接するダラス通りまでの間を南北に走る全長2kmのモス通りは、この日は車の乗り入れ禁止となり、歩行者天国になる。 春には見事な満開の桜の下を歩いたモス通りの並木道。夏の今は豊かな緑の葉をつけた枝が、涼しい木陰を作ってくれる。その並木道に沿って歩きながら、芸術に親しもうというわけである。 約100人のアーティストは、ちゃんと自分の作品群の前に待機し、鑑賞者の質問に答えてくれる。その場でモデルを前にしてデッサンをしたり、彫刻のデモンストレーションする人もいる。もちろん作品は即売できるから、アーティストたちの熱心な意気込みが伝わってくる。 ビクトリア在住の日本人陶芸家、太田治美さんも彼の作品を展示していた。古九谷焼を思わせる、彩りが美しい大皿の数々。最近の東洋ブームの影響もあり、和風文化はカナダ人にも人気がある。例えば、和食器に洋食を盛り付けると、意外なことに、食卓が粋な装いに変身するのは、皆さんご存じのようだ。 水彩画や油絵が多い中で、ファブリック・アートが目を引いた。糸や布を使って詳細な絵を描いたものだ。刺繍でも織物でもない、新しいジャンルのアートだ。繊細な色使いや材質感が面白い。 道ばたには、ビジュアル・アートだけでなく、ミュージシャンも何人かいて、散歩する人たちに心地よい音楽を奏でてくれた。 歩き疲れてお腹が減ったら、ビクトリア美術館の中庭に設置された臨時カフェで、ピザやアイスクリームで一休み。夕方5時から9時までは、ラテンダンスのショーまで楽しめる。おまけに今日は美術館の入場料もタダで、オープンハウスというサービスぶりだ。 家族ぐるみで楽しめる一日野外展覧会は、地元のアーティストたちの作品を知り、応援する大切なイベントでもある。 ![]() 初出:「ワールドバザール21」各国いまどき報告(2006年7月18日) |
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