クィーンズビルってどんなとこ?

ビクトリアの幽霊スポット

 『庭園都市』『BC州の宝石』『カナダの桃源郷』など、ビクトリアを形容する名称はたくさんあるが、『Capital of Ghosts』というのも、実は知る人ぞ知るニックネームだ。160年以上前にハドソン・ベイ・カンパニーによって町が築かれ、歴史的な建造物や名所が多いだけに、ビクトリアは北米で最も頻繁に幽霊が出没する土地の筆頭に上げられているのだ。

 地元の歴史家ジョン・アダムス氏の著書には、ビクトリアの幽霊の話が多く、先日彼の面白い講演を聞く機会があった。

 ダウンタウンの一角に、バスチオン・スクエアという海洋博物館やカフェやレストランが並ぶ観光地がある。石畳が続き、ちょっとレトロっぽい場所で、旅行ガイドには「博物館は元裁判所で、館内にあるエレベーターは北米最古・・云々」と書いてある。私は以前、全く予備知識なしでこの場所を歩いたとき、何となく寒気がして嫌な気分になった。自分では霊感とか、あっち方面の感受性は鈍いと思っていたが、アダムス氏から「バスチオン・スクエアこそ、ゴーストスポットのナンバーワン!」と聞かされ、妙に納得してしまった。

 1859年から1885年まで、バスチオン・スクエア一帯は刑務所で、当時「ハンギング・ジャッジ」の異名をとる裁判官が、次々と27人を絞首刑にしたという。今でも残っている狭い路地では、鎖をひきずる足音が聞こえたり、海洋博物館内でポルターガイスト現象が起こったりするそうだ。

 このあたりにあるレストランやショップでは、幽霊にまつわる話がいっぱいで、博物館の真向かいのレストランCamilleユsは、スタッフが男女の幽霊によく遭遇し、そんなときは必ず葉巻の匂いがするらしい。

 ところで、ビクトリアの観光名所でもある州議事堂、エムプレス・ホテル、クリスタル・ガーデンの3つの建物を設計したのは、若きイギリス人建築家ロッテンベリー。彼は故国で殺害されるという不幸な最期だった。カナダで名声を成し、幸せだった頃の思い出が彼の霊を呼ぶのだろうか、エムプレス・ホテルによくお出ましになる。

「ビクトリアの顔」と呼ばれるエムプレス・ホテルは、ツタのからまる威風堂々たる外観や、重厚なアンティークの調度品に囲まれた部屋で有名だ。そりゃ、幽霊さんが出やすい雰囲気だよね、と思うのは私だけではないはずだ。

 有名なホテルだけでなく、町の小さなベッド&ブレックファーストでも、宿泊客が幽霊と同室になってしまうことが多々ある。この紙面でいちいちB&Bの名前をリストアップするのは避けるが、ぜひそういうB&Bに泊まってみたいと興味のある人は、ジョン・アダムス氏のホームページをご覧ください。www.discoverthepast.com

 アダムス氏は毎年夏になると『幽霊散歩』のガイドとして、ビクトリアのゴーストスポットを2時間かけて散歩するツアーを企画している。イベントの圧巻は、ハロウィーンの前2週間に渡って行われる"ゴースト・フェスティバル"。町を挙げてのお祭りだ。

 彼は『ディナー・ゴースト』も月に1度催している。由緒あるレストランで、その場所にまつわる怖い話を聞きながら3時間の夕食会だ。いつか絶対に参加しようと心をゾクゾクさせている。(私も好きねー!)

初出:「オーロラ」第45号、2004年夏  http://www3.sympatico.ca/dosgatas


ホーム戻る

Copyright (C) 2001-2004 Yumi Schemmer. All rights reserved.
This site best viewed using 800 x 600 screen resolution and True Colour display.