
トロントの自治体で働くゴミ回収者が、賃上げと雇用保証を要求し、2週間以上のストライキをした時、市内のあちこちは臨時のゴミ捨て場と化した。
道路わきや駐車場、子供たちが安心して遊ぶべき公園内に次々と市民がゴミを持ち寄り、山積みとなったゴミが放つ悪臭と多数のハエの発生とで、惨澹たる状態が続いた。
お役所は「ゴミを減らそう」「リサイクルに協力を」「生ゴミはコンポストに!」と新聞やテレビで市民に呼びかけ、なんとかこの「ゴミ戦争」を乗り切ろうとしたのだが、道端に置き去りにされるゴミ袋は一向に減らなかった。それどころか、どさくさに紛れて化学薬品などの危険物を捨てる不届き者まで出る始末。
統計によるとトロントはゴミ対策への関心度が低い都市で、ゴミのリサイクル率はわずか32%。ちなみに、カナディアン・ロッキーを抱くアルバータ州の州都エドモントンでは70%がリサイクルされている。
トロントの場合、ゴミのほとんどは焼却されず、袋に入ったまま埋め立て地へ運ばれており、埋め立て地そのものが不足しているのが現状だ。
エドモントン郊外には、フットボール場を8つ合わせたほどの巨大なコンポストセンターがあり、生ゴミは肥料に変身している。一石二鳥のゴミ対策だ。都市によって、このようにゴミ対策の姿勢にばらつきがある。
連邦政府は年に1度「ゴミを減らそう週間」を設定し「捨てるのはもったいない」をスローガンに、リサイクルと再利用を各家庭に浸透させようとしているのだが、はたしてトロント市民は今回のストライキから学ぶところがあっただろうか?
初出「婦人公論」「海外女性通信」2002年10月22日号 |
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