
ホンダ「パイロット」発表
"パイロット"はアリストン工場が北米唯一の生産地だが、開発デザインしたのは、オハイオ州とカリフォルニア州にあるホンダ技術研究所。
ホンダ技術研究所では、まず北米の消費者を対象にした綿密なリサーチを行なった。学校、ショッピングモール、家族が好んで行きそうな観光地などを実際に調査したり、スポーツ・ユーティリティー車(SUV)の所有者を家庭訪問するなど、市場傾向と消費者の要望を研究した結果生まれたのが、パイロットだ。
デザイナーがインスピレーションを受けたのは、世界で最も頑丈だと言われる「ペリカンケース」。コポリマーポリプロビレン樹脂で出来た外側は、水や埃を完全にシャットアウトするばかりでなく、乗用車が本体に乗り上げても、その圧力にびくともしない。高密度ウレタンフォームの内側は、どんなデリケートな物も優しく保護するという万能ケースである。
タフでスポーティー、それでいてソフトな洗練されたインテリア、というイメージをもとに企画され、新しいコンセプトのSUVが登場したというわけだ。
ファミリー・アドベンチャー車にふさわしく、ボートなら2041kgまで、トレーラーなら1588kgまで牽引することもできる。
内装はきわめて快適なデザインだ。コントロールパネルはシンプルで使いやすく、実用機能が高い。乗車するすべての人がリラックスでき、ドライブを楽しめるように、289度の視界が得られるパノラマ展望並みの車窓や、3列目の座席が2列目よりも5cmシートが高くなっているので、前方がよく見えるという細かい配慮がある。後部シートを倒せば、90.3cu-ft .(2557Litre) の容量カーゴルームができ、大きな荷物がラクラク収容できるのも魅力のひとつだ。 ホンダが長年に渡って力を注いでいる環境保護も、パイロットに反映されている。パイロットの車両の90%は、リサイクル可能な使用部材で出来ている。
ボディー塗装はソルベント・フリーのペンキのため、塗装中有毒ガスがほとんど出ないことや、内装用のレザーも着色過程で危険廃棄物が出ないレザーを使用している。
また、低排出ガス、低燃費(市道で13.8L/100kmハイウエイで10.7L/100km)もパイロットの特筆すべきハイ・パフォーマンスである。
ホンダ・カナダ社四輪セールス部の野村洋マネージャーは、「これまでのホンダCRVと比べて、ひとまわり大きなパイロットは、パワーとスペースが倍増したSUVとして、北米の消費者を魅了するでしょう。アリストン工場では年間7~8万台の生産を予定しています。そのうち1割がカナダ国内向けです。市場価格は$41,000 ~。7月からはメキシコや中東へも輸出が始まります」と語る。
1986年にアコード生産で始まったホンダ・アリストン工場は、現在従業員が4200人に増え、シビック、アキュラ、オデッセイ、パイロットの生産数は合計で年間36万台に上るそうだ。
新しいコンセプトのもとに出発したパイロットのデビューが注目される。
初出「日加タイムス」ビジネス情報 2002年6月7日号 |
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