
小中学校では行われないものだが、高校ではこのいたずらなくしては、学校を卒業したとは言えないほどの伝統的な習慣。卒業生は知恵を絞って皆をあっと言わせるような悪ふざけを企画する。
息子の通う高校では、一昨年は校舎内を3匹の子豚が走り回り、先生や職員がこの子豚を捕まえるのに、四苦八苦したという。
そして去年のプランクはなんと、学校の中庭に突然、噴水つきの池が出現し、水面に洗剤の泡がモコモコ盛り上がっていた、というものだった。
前日の日曜日に卒業生たちが砂袋を円形に並べ、ビニールシートで水漏れを防ぎ、そこへ消防車がたっぷりと放水して池を作る。簡易噴水を設置した後、翌朝、生徒たちが登校する直前に洗剤を撒いたのだそうだ。
砂袋を運んで池の形にするという、かなりの肉体労働にくわえ、消防車まで動員した、本格的に手の込んだいたずらだ。消防署がこのような「悪ふざけ」の行事に協力するのも驚きだが、そこは遊び心旺盛のカナダ人、案外簡単に許可が降りたのかもしれない。
同じように、トロントのある高校の卒業式では、校舎中の教室のドアノブや階段の手すりに白い粉末をまぶした男子生徒がいた。これは万引き犯を捕まえるための粉末で、汗や水に接すると紫色に変色する。少年の父親がたまたま捜査官だったことから手に入れたそうだ。
ところがこの白い粉末、数年前のアメリカでの炭疸菌事件を思い出させたのがいけない。動転した11人の生徒が病院へ担ぎ込まれ、警察官が出動し、学校内は大混乱。いたずらのつもりがテロ騒動を引き起こした少年は逮捕されてしまった。プランクはあくまでも害がなく、笑えるものでなければルール違反なのだ。
初出::「婦人公論」海外女性通信 2005年6月22日号 |
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