
イギリス系や他のヨーロッパ系が多いビクトリアの人々はアンティークが大好き。古いものほど「お宝だ」と頑固なくらい古いものを大切にする。
1995年までこの界隈で骨董屋を営んでいたテリー・ウォーラー氏が、骨董品の査定をしてくれるパーティーの夕べが友人宅であったので、30ドルの会費を払って参加してみた。イギリスの有名なテレビ番組"アンティーク・ロードショー"をそっくり真似たイベントである。
それぞれ個人のお宝を大事そうに持参して集まったのは、約30人。受付で査定してもらうお宝の登録をして、番号札をもらいリビングルームにあるグランドピアノの上に置く。私が持ってきたのは夫の祖母から譲り受けた手描きのローゼンタール(ドイツ製)の皿。おそらく戦前からの年代物だが、ほとんど使われなかったため、金縁の塗りや花の色が鮮やかに輝くばかりの新品同様。1枚ずつデザインの違った手描きの花模様で、12枚のセットになっている。
ウォーラー氏は骨董品のひとつずつを手に取って、歴史的な背景やデザインの特徴など、ていねいに説明する。さすがに骨董に造詣が深いだけに彼の博識には驚いた。古い山高帽と専用の帽子箱や現在は製造禁止になっている象牙細工でできたチェスセットなど、興味深い骨董品の数々が紹介された。
さて、私のディナープレートだが、この手の皿は食事が盛られるのではなく、夕食前に各自の前に置かれる装飾的な皿で、実際の食事のときには使われなかったとのこと。へえー、だから新品みたいにきれいなんだー、とウォーラー氏の説明に納得。しかし、である。彼による骨董価値は、何と皿1枚75ドル(約6千円)。予想では1枚500ドル(4万円)は下らないと見ていたので、そんなはずでは・・・と大失望。いまだに納得できないでいる。誰かローゼンタールにもっと詳しい骨董屋に再査定してもらいたい気持ちである。
たとえクズの値打ちでも、持ち主にとっては、やっぱりお宝なのだ・・・。
初出:「ワールドバザール21」各国いまどき報告 2005年3月21日 |
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