
同性愛カップルが堂々と手をつなぎ、オカマは思いっきり派手なドレスで闊歩する。毎年約80万人以上のゲイとレズビアンがカナダだけでなく、アメリカからも参加して祭りを盛り上げる。
クライマックスはなんといっても最終日のゲイ・パレード。まるでリオのカーニバルよろしくフロート(満艦飾のトレーラートラックにバンドやダンサーを乗せたディスプレー)は壮観だし、ギンギラギンのコスチュームで踊りまくるゲイやレズビアンたちを見ているだけで楽しくなる。
パレードに参加するのは、派手なグループばかりではない。プラカードを掲げて歩くクリスチャンや仏教徒などの各宗教団体や、ユニフォームを着たゲイ・パイロット協会からの参加者やエイズの支援団体、そして患者とボランティアを乗せたバスで行進するエイズ専門ホスピスなど。
沿道からの拍手を浴びながら、パレードは続く。その拍手が一段と高まるのが、同性愛者の家族や友人の団体が行進するとき。高齢の親の中には、車椅子に乗って参加する人もいる。こうして微笑みながら胸を張ってゲイ・パレードを行進している親兄弟姉妹だが、今に至るまでの道のりは決して心安らかなものではなかっただろうと想像される。「We are proud of our children.子供たちを誇りに思う」と書かれたプラカードがすべてを語っている。
特に争点となった家族法改正法では、同性愛者にも離別後に元パートナーに対して扶養手当を訴える権利を与えるよう命じた。さらにパートナー死亡後の相続権や厚生福祉手当、年金についても同性愛者に同等の権利が与えられるようになった。今後連邦政府や他州においても大幅に法律が改正されることが予想される。
2001年1月14日、トロント市内にある教会で、カナダ史上初めての同性愛者の結婚式があった。しかもゲイとレズビアンのカップルのダブル挙式が、牧師を前にして同時に行われたのだ。
教会で600人以上から祝福を受けたのは、ジョー(43)とケビン(31)、そしてイレーン(43)とアン(38)の2カップル。まさしくゲイ・レズビアン社会にマイルストーンを刻んだイベントとして、カナダ中のメディアが第一面で報道した。
少しずつ市民権を得るようになったゲイ社会を反映し、カナダの国勢調査も今年から同性愛カップルの世帯数を数えるようになった。それまでは男女のカップルは籍が入っている場合、同棲の場合などカテゴリーに分けて数えていたが、同性愛者に関しては、一切調査の対象外にしていたのだ。
また、学校教育でも「家族のありかた」を子供たちにゲイやレズビアンの家族体系もあるという事実を教えるようになった。最近の傾向では、家庭にお父さんがふたりいたり、お母さんがふたりいるという子供たちが、珍しくなくなってきたからだ。
また、性教育は小学校1年生からスタートするが、基礎的な「赤ちゃんはどうしてできるか」から、高学年になるにつれ「避妊について」「堕胎について」まで、子供たちは学習する。セクシュアリティーに関しては、「ストレート」「ゲイ・レズビアン」「バイセクシャル」があるということを学ぶ。
多様文化主義を国是とするカナダが人種、民族、宗教、文化の多様性をお互いに認め合いながら、平和で住みやすい国を目指しているように、ゲイやレズビアンもひとつの違った文化の表現だと認め、真の平等な社会へと着実に進歩しているのを誇りに思う。
2001年9月27日 |
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