異文化考察

My Big Fat Greek Neighbour


 左の写真は、去年北米で大ヒットした映画「My Big Fat Greek Wedding」である。日本では公開されたのか知らないが、とにかく愉快な映画だ。

 ギリシャ系アメリカ人のあんまりぱっとしない平凡な女性が、アングロサクソン系のハンサムな男性と恋をして結婚するまでの物語で、Non Greekの彼が典型的ギリシャ系大家族の波にもまれたり、彼女の家族側もてんやわんやの大騒ぎしたりで、異文化のギャップを面白おかしく描いている。

 私は映画を見ながら、自宅の隣に住むギリシャ系カナダ人の家族を思い出して、うんうん、そうよねと共感し、大いに笑ったものだ。

 お隣さんのギリシャ系のサムは、奥さんと子供3人、そして自分の母親と奥さんの父親と一緒に住む7人家族。厳密に言うと、奥さんはギリシャ出身ではなくアルバニア生まれで、彼女の父親は、かつてアルバニアで反社会主義の政治活動をして刑務所に3年いたという、ちょっとインテリっぽい人だ。残念なことに、父親は全く英語を話さない。きっと興味ある歴史的イベントを体験してきているだろうに。

 さて、この一家は裏庭に羊、ヤギ、牛、にわとりなどを飼っている。犬も6匹ほどいるらしい。我が家も去年は、馬2頭を家の裏で飼っていたので、お互い様だが、普通の人なら、まずフェンスをしっかり作ってから動物を飼うだろう。しかし、サムの場合はお粗末な簡易フェンスでちょこちょこっと庭を囲み、羊とヤギをいきなり20匹近く飼い始めたのだ。

 ある朝、キッチンの窓から我が家のデッキを見て仰天した。デッキの上には羊やヤギが入り込み、私のペチュニア・プラントを食べているではないか!大声を上げると、侵入者どもはデッキの階段を駆け下り逃げていった。

 それからしばらくの間、サムが家の前の道路で動物を追いかけまわしていたのを見たが、このハプニングはその後も何度か繰り返され、やっとのことでサムは家畜用のフェンスを家の周りに作ったのだった。

 イースターや子供たちの誕生日には、飼っている羊の1匹が憐れにもローストラムに変身する。庭に設えたテントの下で、大勢の客人たちがにぎやかにピクニック。おまけにライブ・ミュージックまで用意して、ギターと一緒にあの独特のギリシャ民謡が、朗々と近所にこだまする。

 サムの家のまわりは、お世辞にもきれいとは言えない。工事に使った材料やガラクタやらが、整理されずにゴロゴロしている。家の中に入ったことはないけれど、きっとゴチャゴチャなんだろうな・・・だって、もう4月なのに、まだクリスマスの飾りつけが家の前につけっぱなし。

 夫が一番頭にきているのは、サムが飼っているジャーマンシェパードのこと。うっかり靴をドアの外に出しておくと、翌朝片方だけ無くなっている。隣に引越して以来、私たちは何足靴を無くしたことか!

 サムに文句を言うと、全く悪びれず「おお、我が家も困っているんだ。わしらの靴も何足も無くなってるからね!」だって。

 ま、決して悪い人ではないんだろうけど、夫はそれ以後、サムと口をきかない・・・。

2003年4月1日



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