
毎週日曜日の午後2時から、地元「墓地愛好家協会」のボランティアがガイドとなって、この地に眠るビクトリアゆかりの著名人たちの歴史をひもといたり、墓石のデザインを鑑賞したりする。人間ほどの大きさの天使が羽根を広げたもの、大理石に見事な肖像と花が彫刻されたもの、故人の好きだった歌の一節が墓石に刻まれたものなど、こちらのお墓にはユニークな形が多い。
一角には、明治時代に日本から海を渡って来た日系カナダ移民たちが眠る墓地もある。1909年の台風で墓石がほとんど波にさらわれたため、子孫や戦後移住者が協力して、99年に152人分の墓石を新たに作り、立派な合同石碑も建立した。毎夏、ボランティアが墓を清掃し花を供え、バンクーバーから僧侶を招いて、お盆の行事が執り行う。読経の中で、ひとりひとり石碑に向かって焼香する「お盆体験」ツアーも、「お墓めぐり」の年間スケジュールに組み込まれている。
年間を通して、興味深い行事を取り入れているこの「お墓めぐり」、生きている者だけでなく、墓に眠る霊たちも楽しませているに違いない。
初出:「婦人公論」海外女性通信 2006年10月22日号 |
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