
高校で科学と生物を教えるレイ・ミラー氏は、ご多分にもれず日曜大工が趣味。その腕前はプロのカーペンターにひけをとらない。本格的な工具を揃え、ピックアップトラックで、材料を自分で調達する。しかも彼は、新しい材料をホームセンターで買うのではなく、廃物を利用するという究極の「もったいない精神」の持ち主。あちこちでいらなくなった古い木材や、壊したあとの家屋の建築材を安く引き取って、ニワトリ小屋を建てたり、庭にしゃれたガジーボ(あずまや)を作ったりする。
彼の手によると、古くて錆びついた酒樽が、レトロっぽいサイドテーブルに変身する。
樽を半分に切って簡易ポンプを取りつければ、今はやりのファウンテン(泉)に。古タイヤは上手に切って木馬の形にする。枝振りの良い木にロープをかけて木馬をぶら下げれば、子どもが喜ぶブランコだ。こんな具合に、廃物がレイのユニークなアイデアと素晴らしい大工の腕とで、再び息を吹き込まれて生まれ変わる。
白樺の枝を集めて作った小さな椅子も、可愛らしいインテリアになった。レイの作品はどれも廃物利用だけれど、素朴で夢がある。
初出:朝日新聞「世界のウチ」 2005年12月28日 |
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