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廃物利用の見事な腕前!

カナダ人はDIY(Do It Yourself)が得意である。家の中のペンキ塗りや壁紙の張り替えは、主婦でもやりこなす。床の張り直しや改装工事も業者に頼らず、ご主人が奥さんや友人と仲良くやってしまう。手作り主義の人が多い理由は、ホームセンターが各地にあり豊富な材料や工具のDIY環境が整っているからだ。

高校で科学と生物を教えるレイ・ミラー氏は、ご多分にもれず日曜大工が趣味。その腕前はプロのカーペンターにひけをとらない。本格的な工具を揃え、ピックアップトラックで、材料を自分で調達する。しかも彼は、新しい材料をホームセンターで買うのではなく、廃物を利用するという究極の「もったいない精神」の持ち主。あちこちでいらなくなった古い木材や、壊したあとの家屋の建築材を安く引き取って、ニワトリ小屋を建てたり、庭にしゃれたガジーボ(あずまや)を作ったりする。

彼の手によると、古くて錆びついた酒樽が、レトロっぽいサイドテーブルに変身する。 樽を半分に切って簡易ポンプを取りつければ、今はやりのファウンテン(泉)に。古タイヤは上手に切って木馬の形にする。枝振りの良い木にロープをかけて木馬をぶら下げれば、子どもが喜ぶブランコだ。こんな具合に、廃物がレイのユニークなアイデアと素晴らしい大工の腕とで、再び息を吹き込まれて生まれ変わる。

なかでも彼の自慢の作品は、捨てられていたボートを半分に切断し、棚を加えてペンキを塗りなおし、2つの飾り棚にリフォームしたもの。カントリー風のリビングルームにぴったりマッチする傑作である。

白樺の枝を集めて作った小さな椅子も、可愛らしいインテリアになった。レイの作品はどれも廃物利用だけれど、素朴で夢がある。



初出:朝日新聞「世界のウチ」  2005年12月28日


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