カナダのニュース

大学のキャンパスは動物園?

 自然に恵まれたカナダは、野生動物たちにとって、まるで天国のように住みやすい土地である。

 ビクトリア大学のキャンパスの風景が、その典型的な例だ。ここは、学生数約1万8千人という小ぢんまりした大学であるが、学内を円状に幹線道路が走り、バスや車の交通量は多い。その道路わきの緑の芝生に、白や黒、あるいは茶色の物体が点々としているのが見える。そう、丸々と太って悠々と芝生を食べているのは、何とウサギ!学生たちがすぐそばを通りかかっても、逃げる気配もない。毎年増え続けるウサギたちは、キャンパスにすっかり居座ってしまい、ビクトリア大学の顔になっている。

 もうひとつの地元の大学、ロイヤル・ローズ大学では、野生動物が少々迷惑な問題になっている。

 1960年代に4羽のクジャクが大学に寄付されたことから、年々増え続け、現在20羽以上が大学のキャンパスにのさばっているのだ。

 写真取材に行った日は、寮のピクニックテーブルでクジャクたちがのんびりと井戸端会議をしていた。美しい白いクジャクの姿もあり、目の保養には良いと思うのだが、寮生の話によると、毎朝4時ごろに、クジャクの「クェーッ、キィーッ」という甲高い声が響き渡り、目が覚めてしまうとか。  去年は大学内で「X_Men2」の映画ロケがあり、クジャクの声が邪魔なため、たいへんな苦労でクジャクたちを一時捕獲してから、やっとロケが遂行できたそうだ。

 大学の職員がパンくずを餌にやっているのを見かけた。彼女は、
「ホントは餌をやるのは禁じられているの。今年はメスがたくさん生まれたから、来年はもっとクジャクが増えそうね」と言っていた。

 最近では、キャンパスから抜け出したクジャクが個人の庭に入り込み、花を踏みつぶしたり新芽を食べたりするので、苦情が絶えないらしい。

 大学側の対策としては生け捕りにして、これまでにビーコン・ヒル・パークの動物園へ寄付していたが、もはや定員オーバーで動物園は受け入れを拒否している。

 クジャクの卵を孵らないように取り上げてしまうのが、一番手っ取り早い方法だが、クジャクは高い木の上に巣を作る習性があり、人間様が不法侵入するのは、ほとんど不可能に近い。

 そこで大学は、広い敷地を持つ一般家庭へクジャクを里子に出そうと呼びかけているが、果たして名乗り出る里親はいるのだろうか?

初出:ワールドバザール21「各国いまどき報告」2004年10月18日


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