カナダのニュース

動物たちと共に生きるリアルカントリーライフ

 カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の州都ビクトリアから車で20分ほど北上すると、ハイウェイの横に大きなエルク湖が見えてきます。このすぐ近くにあるのが、ミラー一家の動物天国。馬6頭、ロバ1頭、ヤギ2頭、ブタ2頭、犬6匹、猫3匹、ニワトリ100羽という大所帯が、4エーカーの土地に仲良く暮らしています。

 「3年前にこの家を買って引っ越してきたときは、ずっと空き家だったせいで、荒れ放題だったよ。馬小屋を修理したり、ニワトリ小屋を新しく作ったりして、今の形になったんだ」

 高校で生物を教えるレイさんは、大工仕事が大好きなハンディーマン。その手にかかると、廃物だったボートさえ、魅力的な飾り棚に変身します。椅子やプランターに始まり大は温室まで、家のまわりは、まるで作品展の様相。裏庭の野菜畑には、丹精込めて育てる野菜が、青い空の下でのびのびと育っています。

 いっぽう奥さまのマーリーンさんは大の動物好き。1日は動物たちに餌をやることから始まります。馬場のフン拾いや水の入れ替えなど、その多くが重労働。14才になる息子ジェレミーと12才の娘ジョセリンも、積極的に手伝います。

 100羽のニワトリが産む卵は1日6ダース。販売は、道路脇の卵売りスタンドの冷蔵庫から、欲しい人が勝手に開けて取り、1ダース3ドルの代金を置いていく、というほほえましいシステム。お手製の卵売りスタンドやサインが、のどかさに輪をかけます。

 日々の糧を自分の手で生み出していく暮らしは決してラクではありません。それでも、そこには大地にしっかり根を下ろして生きている実感があります。実体験に基づく生物の授業は、どんなに魅力的なものか・・・想像が膨らみます。

++ カナダの「カントリー」事情 ++

広大な土地と豊かな自然に恵まれたカナダでは、畑で野菜を育てる自給自足型の人、プロ顔負けの大工仕事をこなす人と、手作り志向が極めて強く、自宅の改装工事はもちろん、家そのものを建ててしまう、というのも珍しい話ではありません。ホームセンターも多く、材料や工具もたやすく手に入るDIY環境が整っています。ユニークなのは、「ホビーファーム」という考え方。専業農家ではなく、普通の勤め人が、あくまでも趣味として広い敷地に馬やヤギなどを飼い、余暇は動物と触れ合いながらすごすという暮らしぶりで、まさに究極のアウトドアライフといえます。

初出:「私のカントリー」主婦と生活社 第50号 2004年9月15日


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