
世界的に有名な「ブッチャート・ガーデン」をはじめ、あちこちの公園には見事な花園が広がり、個人の家々も手入れの行き届いた英国風の庭の家々など、"ガーデン・シティー"と呼ばれるビクトリアを象徴しています。
そんな美しい庭園都市のもう一つの特徴は、人口32万人の割には、犬の数がたいへん多いということ。もちろん、ペットとしての犬です。
トロントに住んでいたころは、あまり気がつきませんでしたが、ビクトリアに引っ越して以来、ダウンタウンでもバスの中でもお店の中にも、オーナーが堂々を犬を同伴しているのを見かけるので、びっくりしました。しかも、お行儀の良い、静かなワンコたちばかりです。
ビクトリアの市内には、犬に綱(リード)をつけずに散歩ができる公園や散歩道がたくさんあります。中でも市民のお気に入りの場所は、ダウンタウンの南の海岸沿いに続く遊歩道。天気の良い日には、海の向こうにアメリカ、ワシントン州のオリンピックの山並みを望むことができ、途中には47ヘクタールの公園も隣接する、自然に恵まれた格好の散歩道です。自転車やローラーブレードは乗り入れ禁止。でもお犬様は大歓迎というワンコの天国なのです。
リードをはずされて自由に走り回る犬たちは、お互いに鬼ごっこをしたり、じゃれあったり、オーナーの投げるボールを取りに走ったり、まるで運動会です。
見知らぬ犬同士が、くんくんと匂いをかぎ、社交している様子は見ていてほほえましいものです。また、吠える犬がいないので、まわりは不思議なほど静かです。
遊歩道のあちこちに設置されているフンの始末用のビニール袋とゴミ箱は、ビクトリア市役所が管理しています。また、犬用の水のみ場までちゃんとあり、オーナーにとっては、至れり尽くせりのサービスです。だからこそ、最低限のマナーであるフンの始末は、きちんと実行されているようです。
ペットの数に比例して、ビクトリアの街には、ペットショップやグルーミングスタジオ、獣医のクリニックがたくさんあります。ペット専用のビスケットを販売するお店では、すべてオーガニックの食材を使い、低カロリー、低脂肪の健康スナックが目玉商品。冬は雨の多い気候のビクトリアを反映してか、ワンコ用のセーターやレインコートも品数が豊富です。
先日、我が家の犬2匹をバックシートに座らせたまま、車にガソリンを入れに行ったら、ガソリンスタンドのお兄さんが、犬用ビスケットをサービスしてくれました。宅急便の配達に来たおじさんも、玄関まで駆けてきたうちの犬を見て、ポケットからビスケットを出して「はい、どうぞ」。彼らは本当に犬好きなのか、いざという時の護身用にビスケットを用意しているのかわかりませんが、確かにビクトリアの犬たちは、待遇の良い幸せ者です。そんなわけで、ストレスのない、のんきなワンコになるのかもしれません。
初出:「SELCO」Canada Report 2004年 Vol.14 |
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