
まず、カナダギース(カナダ雁)。紙幣のデザインにまでなっており、カナダを代表する鳥だが、ここ数年どんどん増えている。本来なら「渡り鳥」として冬はアメリカへ飛んでいくはずなのに、暖冬のためトロント近辺で冬を超す鳥も多く、困った鳥ナンバーワンだ。
カナダギースが落とすフンは、一羽あたり一日1.5キログラム。公園の池と芝生は汚され、かつては子供たちが水遊びをした池や湖が、衛生上の理由で「水泳禁止」となったり、ゴルフ場のグリーンにまでカナダギースが侵入したりで、迷惑かけ放題だ。
ある地方自治体は対策として、「エッグ・シェーカー」なる人を雇った。仕事は、春先にあちこちの池をまわってカナダギースの巣を探し、ひとつずつ卵を振ってヒナが孵らないようにすること。敢然と立ち向かってくる親鳥をかわしながら、卵を振るのはたやすいものではない。生まれてしまったヒナや親鳥は、決して傷つけないのが、「動物愛護」たる涙ぐましい努力である。
トロントではギースに餌を与えることを禁止し、最高で500ドルの罰金という条例が決められた。それでも公園でこっそりパン屑をやる人は多い。
次はハトとカモメの被害に泣くオタワ。
オタワには国会議事堂を取り巻くように歴代首相の銅像があるが、それらに立ち寄るハトとカモメの数がおびただしい。フンで頭から胸のあたりまで、白っぽくなってしまった銅像から、どうして威風堂々の面影がしのばれようか。
お役所は特別に人を雇って、ハトとカモメ対策に乗り出した。長い竿を使って、銅像にとまっている鳥を追い払うのだが、追っても追っても、次々に鳥は飛んで来る。滑稽なほどのイタチごっこが続いている。銃を持ち出して殺生しないところが、いかにもカナダらしいのだが・・・。
初出:婦人公論「海外女性通信」2004年3月22日号 |
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