エッセイ

ビクトリアの倦怠期?!

ハイキング大好きビクトリアに移住して、もうすでに4年が経った。はじめは、極楽ビクトリアを崇拝し、すべてにラブラブだったけれど、正直言うと、だんだん倦怠期を迎えてきている。その理由は、この街の「洗練さ加減」による。はっきり言えば、ビクトリアってすご〜い田舎! はからずもトロント(の郊外)に20年住んでいた者にとっては、のけぞるようなどいなかぶりに遭遇する毎日なのだ。

<その1> ビクトリアには、お洒落する場所がない。町を行き交う人のファッションは、いつ見ても(あんた、これからハイキングに行くの?)って聞きたくなるような格好。老いも若きもフッディ(フッド付きのスエットジャケット)とスニーカーが定番ファッション。ビジネスマンが少ないから、スーツ姿の人がめちゃ目立つ。星の数ほどいる公務員、特に大学の先生はびっくりするほどラフな格好だ。友人の夫君は大学の研究者だが、ネクタイを付けたことがないとか。こんな調子だから、着飾って出かける機会がほとんどない。結婚式ですら、アロハシャツと短パン姿の出席者を見たことがある。

<その2> 買い物の楽しみはゼロ。観光地のくせに、ショッピングが全く充実していない!ブランド物?とんでもない。ビクトリアンは、せいぜいClub MonacoかGuessどまり。信じられないでしょう?Herme`sもGucciもCHANELも、ないないづくしの街なんだから。

<その3> すべてがノロい。車の運転、歩行者のスピード、店員の仕事ぶり…。 時間もルーズだ。人々はそれを「ビクトリア・タイム」と言う。夫は、車を走らせるたびに「Oh My Gosh! なんて遅いんだ! だいたいビクトリアは、信号が多すぎる!」と文句たらたら…。

スーパーマーケットと間違えるエントランス<その4> 町1番のコンサートホールの名前がSave on Foods Memorial Centre。(えっ?スーパーマーケットなの?)と思った人は大正解。このホールの偉大なるスポンサーが地元のスーバーなので、スーパーの名前をそのままつけたのである。芸がないねぇ〜! さらに、このセンターは主にホッケーアリーナとして使われるため、先日のミュージカル公演Catsのときなんて、客のほとんどがポップコーンと特大ソーダを客席に持ち込む始末。ちょっとー、スポーツ観戦じゃないのよー!

だから、ビクトリアに住んでいると、洋服がほとんどいらない。だいたい、温暖な気候ゆえ、冬のコートや手袋やブーツも必要ないし…。したがってお洒落をする気にもならず、ますます田舎モンへと変貌していくのである。

ここに30年以上住んでいる人が、私に向かってこう言った。「ゆみさん、トロントから来た直後は、(ああ、やっぱり都会の人は、お洒落で違うわね〜)って思ったけど、最近はすっかりビクトリアの人ね」嗚呼…!

(2007年9月1日)



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