エッセイ

ツルツルこそビューティフル!

 あちこちの新聞や雑誌の広告に「レーザー脱毛」の文字を多くみかける。ひと昔前までは、剃刀やワックスを使っての脱毛で、誰もが不便さと不完全さに苦労していたが、最近はレーザー永久脱毛法が簡単にできるようになった。

 カナダにも最新レーザー脱毛を行うクリニックがたくさんある。そんなトレンディなクリニックで働く看護婦の友だちは、「ちょっと聞いてよー」と最近の脱毛事情を面白く教えてくれる。

 女性が希望する脱毛のほとんどは腕、足、わきの下、顔(ひげ)だが、近頃は男性の顧客が増加の傾向にあるそうだ。こちらの男性(白人や中東系)には、見事に毛深く、しかも胸毛が延長して、肩から背中にかけてモジャモジャに生えている「狼男」がけっこう多い。たしかに、あそこまで毛深いと、マッチョな男性美からはほど遠く、公営プールなどでは「熊が泳いでる!」と見間違えてしまうほど。レーザー脱毛で、胸毛を含めて上半身の毛をすべて取ってくれ、という男性は少なくないらしい。

 娘が高校生の頃、クラスメートで両腕、両足を毎日剃っている男子生徒がいた。水泳チームで泳いでいるから、という理由なのだが、体毛がないほど推進力の抵抗が減り、記録は更新されるのだろうか?それとも、やはり美的感覚から脱毛しているのだろうか?

 夏になると、圧倒的に多い注文は「ビキニライン」のレーザー脱毛。ところが驚いたことに、下の毛を全部脱毛してほしい、と希望する女性がこれまでに何人もいたそうだ。看護婦である彼女にとって「最も心躍らない仕事」のひとつが、下の毛のレーザー脱毛処理ということだが、仕事なのでやらなくちゃならない。施術する側も大変そうだが、受けるほうは、もっと痛いのでは…と余計な心配が脳裏をかすめる。

 街中で、けっこうナウい感じの若い男の子が、頭をツルツルに剃っているのを時々見かける。彼らは体毛も脱毛しているのかしら。つい想像をめぐらしてしまう。胸毛はセクシーなんていう時代は過去のもの。無毛で中性的なオトコやオンナこそ魅力的という世の中になりつつあるのかもしれない。

(2005年10月25日)



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