エッセイ

新しい章のはじまり・・・

 ビクトリアへ大騒ぎで引っ越したのが2003年の10月。その後2年以内にまたしても引越しを体験するとは!家の中と外のペンキ塗り、大がかりなキッチンとハードウッドフロアーのレノベーションが終わった4月、元オーナーから「家を買い戻したい」とオファーがあったのだ。彼らはカルガリーに引っ越したものの、どうしてもビクトリアが恋しくて、帰ってきたいという。

 不動産を通さない上、こちらが損はしないオファーだったので、8月31日を引渡し日にすることで商談成立。さっそく娘たちが住んでいる家のレノベーションに取り掛かった。前の経験があるので、キッチンのデザイン、バスルームの施工はどの業者に頼めばよいか知っているし、今回の助っ人は馬を預けているファームのご主人。高校教師のレイはプロの大工顔負けのハンディーマン。夏休みを利用して、次々と家の中の改装やペンキ塗りなどやってくれた。古いピケットフェンスを取り壊し、新しくフェンスも作ってくれた。独創的アイデアに富み、理系のインテリなので、出来合いのフェンスキットには目もくれず、1枚ずつの板から素晴らしいフェンスが完成した。道を通りかかる近所の人たちが感心して「ウチもやってほしい」と頼んでくるほど。

 6月末に急性虫垂炎になり、大事な州試験を受けそこなった息子は、教育委員会から異例の追試免除のおかげで、予定通り8月5日に日本へ出発。友人と3週間の旅行である。9月から入学するトロント大学へ送る荷物だけ梱包して、さっさと出かけてしまった。まったく。2年前の引越しのときだって、ぜんぜん手伝ってくれなかったし。子どもなんてホント、身勝手で、親の心配など全くわかってない。

 8月23日が本番の引越し。でもその前からアンティークの小さな家具や大切な額などは自分たちでせっせと新しい家へ運び、洋服や古いガラクタは、思い切りよくどんどんThrift Storeへ寄付。フロアーの施工者や電気工事の人にも、古い家具や電化製品をあげた。タダで持っていってくれるのだから、こちらが感謝すべきだ。

 そして、これ以上は無理というほどいろんなものを処分したのに、新居は今まで住んだ家の中で最も小さい(なにせ2000 SQFぽっきり)ので、ベースメントの一部屋は入らない家具や飾れない絵などが一杯詰まった物置になった。

 それでも私はこの家が好きになりつつある。まず、便利なことこの上ない。道路を渡った向こう側には、小さなグローサリーストアーと、おいしいカフェ、ホームメイドっぽいミートパイの専門店、しゃれたデリカテッセン、花屋さん、ボタンや生地を売る店、ヘアーサロンが並んでいる。交通量と人の多い表通りだが、昼間はいろんなアクティビティーが展開するので、結構面白い。そして、夜は信じられないほど車が通らず静かになる(これが典型的なビクトリア・ライフ!)

 夫が26日にトロントへ息子と合流するために発ち、続いて娘とボーイフレンドがタイへ交換留学生として1年過ごすアドベンチャーで、29日に出発。夫が9月13日にビクトリアへ帰ってくるまで、私は犬3匹との生活だ。寂しいですって?とんでもない!バンザーイと叫んで飛び回りたいくらい、文字通り「Empty Nest」をエンジョイしている。そうよ!これからが私の新しい人生の始まり・・・。

 9月からとりあえず決まっている予定は、グレード11の英語の授業を受けること。毎週金曜日にカモソンカレッジで、子ども相手に日本語を教えること。「ビクトリア日本友の会」では理事(書記)を続けていくこと(11月に創立10周年記念行事がある)。12月末に家族(夫、息子、私の父)4人でタイを訪問すること。大学以来ずっと長かった髪を切り、ショートカットのボーイッシュな自分になった。新しい章の始まりにふさわしく・・・。

2005年9月1日



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