
去年の11月末から新しいことを始めた。大きな声で言うのは少々恥ずかしいのだが、ESLの学校に週4日通いだしたのだ。カナダ在住22年目を迎え、何を今さら・・と自分でも思い、躊躇した。でも、かつて1983年にカナダへ着いてすぐのとき、10ヶ月通ったESL学校の思い出がとても懐かしく、もう一度「新移住者」の顔をして英語を勉強してみようと決心したのだ。
自己紹介のときに思わず「ビクトリアはまだ1年目の新米です」なんて言ったけど、生徒(ほとんどReading Glassesが必要な人たちばかり・・・)の中には、ビクトリア在住30年とか、なかには42年なんていうベテランぞろい。なーんだ、私みたいなのがいるんだと安心し、それからは「トロント20年、ビクトリア1年半」と身の上を話すことにした。
授業は上級クラスだが、はっきり言ってレベルは低い。でも時々、あっそうだったのか!と今までよくわかっていなかった英語の冠詞の使い分けや、外国人が間違えやすい表現にハッと気がつく「目からウロコ」のケースがたびたびあり、けっこう役に立っている。議事堂へ行って議会を傍聴したり、アートギャラリーをツアーしたり、フィールドトリップがあるのもいい。その上、ビクトリア大学でイタリア語を教える博士号を持ってる女性、中国の元軍医、台湾のバリバリのキャリアウーマンなど、バックグラウンドの面白い人がいっぱいでおしゃべりが楽しいこと。
授業料は申し訳ないくらい安い。学生登録料が1コースにつき35ドルとテキスト代60ドル。しかもテキストを返却すれば、ちゃんと60ドルは払い戻される。ああ、なんという恩恵!
でも、一番気に入っているのは、先生と生徒たちが和気あいあいと授業にのぞみ、ジョークの連続で、笑いが絶えないこと。お互いの年齢が近いせいか、興味の対象も似ていて、授業での話題も政治や社会、経済のことなど、大人の話ができるのもうれしい。
毎日顔を会わせているので、すっかり親近感をもち、クラスメートはみんな仲良しだ。最近はイタリア語教授のジェパが中心になって、インターナショナル・ウィメンズ・グループを立ち上げようという話になり、ますます面白くなってきた。
今のESLコースは6月のきりの良い学期末まで受け、9月の新学期からは12年生の英語を取ろうと計画している。そうなると、今度は若者(高校をドロップアウトしたティーンエージャーや20代が多いらしい)に混じって、ネイティブスピーカーの「英語」の授業になる。ディケンズやシェークスピアの文学が果たして理解できるだろうか・・・。ちょっとおじけづいている。
数日前、地元の新聞に87歳で宗教学の学位を取ったおばあちゃまの頑張りぶりが載っていた。いくつになっても新しいことに挑戦し、頭と身体を鍛え続けるお手本のようなおばあちゃまだ。しかし、彼女は決して少数派ではない。事実、ビクトリアに転居して以来、シニアーパワーに私は圧倒されている。
杖をつきながら、あるいはウォーカーでプールサイドまであぶなげに歩いてきても、いったん水の中に入ると、まあ、泳ぐこと、泳ぐこと。きれいにお洒落して街のティールームでお茶している素敵なシニアーたち。社交を欠かさず、そして自分のできる限り時間を惜しまずボランティアする精神もお見事。
元気なシニアーに鼓舞されて、私も頑張る毎日だ。
2005年4月15日 |
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