
乗馬のホッケーは貴族のスポーツ? 馬を使うスポーツはたくさんあるが、ノーブルでリッチな雰囲気、そしてスピード感あふれるゲームと言えば、ポロの右に出るものはないだろう。ポロは約2500年前ペルシャの地で生まれた。広い野原と馬さえいればゲームができるので人気のスポーツとなり、チベットやインドへ広まっていった。「ポロ」の語源はチベット語の「Pulu(ボールの意)」。 19世紀、インドに駐留したイギリス連隊がポロを知って、ゲームの面白さだけでなく、若い騎兵隊の訓練にも適しているとすっかり気に入り、ポロをイギリスに普及させた。 1868年初めてのポロ・ゲームがイギリスのハウンスロー・ヒースで行われた。しかし、当時はまだ試合のルールが確立していなかった。20世紀初め、ロンドンのハーリンガム・ポロクラブが作ったルールが、後に世界共通のルールとなり、今では世界中でポロ・ゲームが親しまれている。 ポロは芝生の上で行われる。フィールドの広さは長さ274m、幅183m、ゴールは2本の杭の間で幅7.5m。最近は天候に左右されない屋内アリーナでのポロ・ゲームも多く行われるようになった。
マレットと呼ばれる竹製のスティックでボールを打つゲームは、よく訓練された馬(ポロ・ポニー)と敏速な判断力とタフな精神力を備えた乗り手の共同作業だ。しかも馬をギャロップで走らせながら、フィールドを縦横無尽に動くゲームは、かなりの体力が要求される。 体力の消耗が激しいので、ひとりのプレーヤーは1試合で4頭まで馬を代えることが許される。同じ馬が続けて2チャッカーに出るのはルール違反。ポロが金持ちのスポーツだと言われるわけがお分かりだろう。ひとりのプレーヤーには、1試合で最低2頭の馬が必要だからだ。もちろん、各馬専用の鞍や馬ろくなどの馬具と背の高さに合ったマレットがいる。 プレーヤーはお馴染みの「ポロシャツ」と白い乗馬ズボンが必須アイテム。さらに、顔面ガードつきのヘルメット、膝プロテクター、長靴、手袋といった装備で身を固める。 各プレーヤーは、ポロの能力と経験をもとに、それぞれ_2から10(高い数字ほど良いプレーヤー)までのハンディ・キャップが与えられる。チームのハンディキャップを合計し、例えばハンディキャップ6と4のチーム場合、4のチームに2点ゴールが加算されるというわけ。 屋内ゲームのポロもあるが、やっぱりポロには青空が似合う。馬が躍動する美しい姿を眺めながら、蹄の音とプレーヤーの声の静かなハーモニーを聞き、優雅な気分に浸れる。そして、ポロ観戦のもうひとつのお楽しみは、芝生の上でブランケットを広げてのピクニックだ。 トロントでは毎年「Polo For Heart」と称して、Heart and Stroke Foundation of Ontarioの資金集めを目的にしたポロ・ゲームのイベントが催される。今年は6月14、15、16日にゴームリー・ポロ・センターで開かれる。カナダ各地のポロ・クラブが参加するほか、アメリカ、アイルランド、アルゼンチンからも遠征してくる。主催者で、ポロ・ゲームのプレーヤーとしても活躍するクリフォード・シフトン氏は、「22年前に父が始めたこのチャリティー・イベントは今年で23回目を迎え、毎年30万ドル近い寄付金が集まるようになりました。皆さんに午後のひとときを楽しんでもらうため、スカイダイビングや馬場馬術のデモンストレーション、犬のショーなど、エンターテイメントが一杯です。もちろん、ポロを見たことがない人には、ぜひ一度ゲームを観戦していただきたいです」と語る。 あなたもピクニックをしながら、高貴なポロを楽しんではいかが? 初出「日加タイムス」2002年5月3日号 |
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