動物小話

ペットショップあれこれ

 ビクトリアは人口32万の割には、たいへんペットの数が多い都市である。飼い主と一緒に散歩している猫の姿は、さすがに見たことがないが、飼い主と行動を共にする犬は、あちこちで見かける。バスの中、お店の中、飼い主が運転する車の中、そしてもちろん散歩道で、お行儀よくご主人に寄り添うワンコたちが、いかに多いことか!

 近所のガソリンスタンドでは、車の後部座席に犬がいると、ビスケットを必ずサービスしてくれるし、我が家に来た宅配のお兄さんは、玄関にうちの犬が飛んでいくと、「クッキーあげてもいい?」とポケットからおやつを差し出してくれたり・・・。みんな、犬好きなのねー!

 そんなビクトリアだから、ペットのグルーミングスタジオ、獣医クリニック、ペットショップが軒を連ねている。しかも、ユニークな店がとても多い。

 『Ruff Creations』は、ペットのお腹にやさしいビスケットを提供するベーカリー。小麦粉やとうもろこしの粉は、犬たちにとって、アレルギーの素になりやすいので、スペルトコムギ、オートムギ、チックピーなど健康志向のオーガニック食材を使ったホームメイド。店内は16種類ものビスケットのいい香りが漂い、人間様でも食べたくなるほどだ。ペットグッズも、見ているだけで楽しくなる店である。

 『Woofles』は、ビクトリアのトレンディなダウンタウンの一角にある店。カラフルなペット商品が、小さな店内に一杯!北米では、子供や孫の写真より、ペットの写真を財布に忍ばせている人のほうが多いとか。文句ひとつ言わず、無条件の愛情でしっぽを振ってくれるペットたちのほうが、反抗期のティーンエージャーの息子より、ずっと可愛いと思うのは、私だけではないようだ。

 そんなオーナーの心をくすぐる犬猫相手の商品に、つい財布のひもはゆるんでしまうのだろう。私も最近、結構なお値段で、ピーナツバター風味の愛犬用ハミガキを購入し、ワンコの歯をせっせと磨いている。

 『The Barking Lot』は、ワンコの美容院。ここも、毎日さまざまな種類のお犬様でたいへん繁盛している店だ。こういうプロフェッショナルなグルーミング・スタジオだけでなく、ビクトリアの住宅街を歩いていると、家の横にある車庫をちょっとしたグルーミングスタジオに改造して、ホームビジネスよろしく看板を出している家をよく見かける。個人の家で商売するには、いろいろ面倒な規則があるオンタリオ州と比べて、ホームビジネスを奨励しているBC州ならではの、面白い現象である。

初出:「ワールドバザール21」各国いまどき報告 2004年4月19日号



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