動物小話

幸せなワンコたち

 ビクトリア(B.C.州)へ引越して2週間が過ぎた。カナダ移住以来、5度目の引越しを経験したわけだが、今回はトロントから4558km、アメリカ大陸をほぼ横断する大移動だった。

 初めて空の旅を経験した我が家の犬2匹も、新しい環境にちょっととまどいながらも、トロントとは比べ物にならないほど暖かい毎日を楽しんでいる。

 家から車で2、3分走るとすぐ海なので、うちのワンコたちにも、さっそく海岸デビューさせた。

 いるいる!リードなしで、ゆうゆうとお散歩している犬がいっぱい!飼い主が投げる棒切れを追いかけて、海へ何度も飛び込んでいく犬や、芝生をかけまわる犬たち。

 それにしても、なんてお行儀がいいんだろう。吠える犬がいないので、海岸はとても静かだ。お互いにしっぽを振って犬同士が近づき、クンクン匂いをかいで、若い犬だと、すぐに追いかけごっこを始めたりする。

 飼い主同士が立ち止まっておしゃべりしていると、その横でワンコたちもちゃんと社交している。とってもいい雰囲気なのだ。

 うちのワンコたちは、これまでに社交の経験がなかったため、大型犬をむやみ怖がる。特にラソアプソとプードルの混種のクッキーは、私の足元にピッタリとくっつき、大きな犬が向こうからやって来ると、その場でフリーズしてしまう。デイジーはリードを付けたままでないと、まわれ右して逃げそうだ。

 でも、先日ケイリンテリア種と遭遇した時は、自分と同じ仲間だとわかったのか遊びたがったので、初めてデイジーのリードを外して2匹を駆け回らせたが、もう少し散歩に慣れ、社交のトレーニングが必要だ。

 海岸沿いには、犬のフンを拾うためのビニール袋が入った箱とゴミ箱があちこちに設置してある。ペットオーナーの最低限のマナーは、フンの始末をすること。市がビニール袋を絶えず補給する。

 ビクトリア市内では、店の中までペットが一緒に入ってくることがある。お行儀の良いワンコたちなので、誰も気にしない。本屋で立ち読みしている飼い主の横で、おとなしくすわっている犬を見かけた。

 穏やかな気候に恵まれ、自然とアウトドア志向になるビクトリア市民は、犬と行動を共にする。どこへでも一緒に出かけるワンコたちは、ストレスがないから、吠えたりリードをむやみに引っ張ったりしない、穏やかな性格になるのだろう。幸せなワンコたちである。

初出:「ワールドバザール21」各国いまどき報告 2003年11月17日号



ホーム戻る

Copyright (C) 2001-2003 Yumi Schemmer. All rights reserved.
This site best viewed using 800 x 600 screen resolution and True Colour display.